伝導路(国試向け)

⚠️国試レベルでの伝導路

上行性伝導路と下行性伝導路

伝導路は大きく分けて上行性と下行性の2つに分かれます。

上行性とは読んで字の如く、上に行く伝導路の事を指します。

例えば、前脊髄視床路、外側脊髄視床路、後索内側毛帯路、脊髄小脳路などです。

これらは簡単に感覚を司る伝導路たちです。

次に下行性とはさっきと逆で、下に行く伝導路の事を指します。

例えば、前皮質脊髄路、外側皮質脊髄路網様体脊髄路、赤核脊髄路、前庭脊髄路などです。

これらは簡単に運動を司る伝導路たちです。

上に挙げた伝導路を全て理解すれば国試ではほぼ大丈夫だと思います。

出題傾向

伝導路の国家試験出題傾向としては
①上行性か下行性か
②どんな役割を果たしているか
③どこをどんなふうに通るのか
この3種類を中心に出題されています。


①は最も簡単な問題で点数を取れるチャンス問題だと思います。

勉強方法としては1つ1つの伝導路を覚えるのもよいと思いますが、それでは知らない伝導路が出ると全く分からなくなってしまいます。

そこでこれを考える際には伝導路の名前に注目して見ましょう。

例えば脊髄視床路で考えて見ましょう。

この伝導路は名前の最初が脊髄、次に視床と書いています。

そのため脊髄から視床に向かう伝導路です。

ということは、脊椎の中にある脊髄から間脳にある視床に向かっている=上に行く伝導路=上行性伝導路ということになるのです。

この他の伝導路も同じ要領で考えると分かると思います。


②と③は覚える事が多く、苦手な方もいらっしゃるかと思いますが根気強く頑張りましょう。

ではまず、上行性で例に挙げた4つから書いていきます。

前脊髄視床路では粗大な触圧覚を司どります。
この感覚は何かに触られているという感覚で具体的に何に触られているかは分からないというものです。

外側脊髄視床路では温痛覚を司ります。
この感覚は温度と痛覚を感知します。

後索内側毛帯路では精細な触圧覚と意識性の深部感覚を司ります。
この伝導路は役割が2つありややこしいですが頑張りましょう(笑)

脊髄小脳路は非意識性の深部感覚を司ります。
小脳に至るため非意識性と覚えましょう。

下行性の伝導路は2つだけ書きたいと思います。

前庭皮質脊髄路体幹と四肢近位筋を支配します。

外側皮質脊髄路は四肢遠位筋を支配します。


③では細かく覚えることは難易度が急激に上がるので簡単に大雑把に書きたいと思います。

上行性伝導路

前脊髄視床路では同側の前索を上行します。

外側脊髄視床路では白交連をし、対側の側索を上行します。

後索内側毛帯路ではまず最初に後索を上行します。その後延髄の内側毛帯で毛帯交差をし、対側の視床に向かいます。

脊髄路小脳路では主に同側の側索を上行します。
この伝導路は前脊髄小脳路と後脊髄小脳路という書き方になる時もありますが、共に側索を通るため騙されないように注意してください。

下行性伝導路

皮質脊髄路では皮質から放線冠を通り、内包の前脚、中脳の大脳脚、橋の橋縦束、延髄の錐体を通り、脊髄の前索を下行します。

外側皮質脊髄路では前皮質脊髄路と橋までは同じで、延髄の下部で錐体交差を行い脊髄の側索を下行します。

終わりに

伝導路は中枢疾患を見る上で必須項目になると思うので今の内に覚えておきましょう。